トレーディングの成功者は「準備」を重要視している
トレーディングの成功者は「準備」を重要視している

トレーディングにおける「準備」の重要性を、この記事でお話します。

何年間、活発にトレーディングを重ねたとしても、マーケットが示す価格パターンに驚かされることがなくなることはない。

群衆心理やテクニカル分析に関する本は何百冊とあり、トレード可能な価格パターンはすべて網羅されていると思うかもしれないが、それはまったく違う。どの金融商品のどの時間枠でもよいからチャートを1つ開いてみれば、すぐに新しい現象が展開し始めるだろう。

価格の動きは2つのグループでなされている

価格の動きは、意見が対立するトレーダーがマーケットでせめぎ合っている結果を示している。戦っているのは、マーケットが上がると考えるブル派とマーケットが下がると考えるベア派という2つのグループしかない。

彼らのトレードが短期なのか長期なのか、ほかのトレーダーを欺こうとしているのか本当に方向感を示そうとしているのか、最後まで戦うつもりなのかほかと手を組んで仲間を裏切ろうとしているのか、などといったことはまったく関係ない。

価格を動かす唯一の要素は、その瞬間の実際の売りと買いのみであり、もし一方が他方よりも多ければ、価格はその多いほうに有利に動く。チャートの動きはだれがだれを倒そうとしているのかをはっきりと示していると広く信じられている。

なぜトレーディングで成功するのが難しいか

なぜトレーディングで成功するのが難しいか

しかし、仮にそうだとしても、テクニカル的に見ればそのことに意味はない。ただ、このことからは興味深い疑問がわく。もし価格パターンがすべて記録されていて、その意味が解明されているのならば、なぜトレーディングで成功するのがこれほど難しいのだろうか。

マーケットの読みが間違っていて、価格の動きが完全にランダムで、トレード戦略は使い物にならなくても、この骨の折れる労働によってトントントントンではなく破綻する人のほうが多いのはなぜなのだろうか。典型的なトレーダーの苦難の原因は、見過ごされがちな単純な事実にあると言ってよい。トレーディングを仕事とみなしていないからである。

そのため、適切なビジネスプランを持たずにマーケットに挑んでしまう。これは典型的かつよくある間違いで、不思議なことにこの仕事の特徴と言ってもよい。ほかの分野では、いい加減な姿勢で仕事に臨めば、すぐに修正される。銀行は、厳密なビジネスプランがなければ融資してくれないし、経営者は信用できない組織とは付き合わない。すぐ壊れる製品を作っても、顧客は買ってくれない。

しかし、トレーディングとなると完全に自由で、匿名性も完全に守られるため、トレーダーは何の責任も負わずに見せかけの世界に完全に身を隠し、自分で決めたルールをその場の思いつきで変えてしまう。顧客を満足させたり、上司に報告したり、銀行のご機嫌をとる必要がないからだ。この世界では、トレードするための資金さえ残っていれば、いずれツキが回ってきて利益が必ずどこからか転がり込んでくるという幻想を簡単に楽しむことができてしまう。トレーダーは、資金をすべて失う前にこの愚行を招く計画のなさに気づくことができれば幸運だと思うべきだろう。

プロのトレーダーの多くは独自の手法を確立している

プロのトレーダーの多くは独自の手法を確立している

一流トレーダーのインタビューを読むと、達人と呼ばれるような人でも貴重な教訓を苦労して学んだことが分かる。そして、このなかには適切な計画を持っていなかったことがたいてい含まれている。しかし、適切なトレード計画とは何なのだろうか。必ず守るべき数々のルールなのだろうか。順守すべき厳密な公式なのだろうか。トレードの前に必ず確認しなければならないチェックリストなのだろうか。残念ながら、この答えは簡単ではない。あるトレーダーにはうまくいくことが、別のトレーダーにとっては有害なこともあるからだ。プロのトレーダーの多くは独自の手法を確立していて、それを勝手に変える余地はないようにしている。反対に、融通の利かない状況で完全に身動きがとれなくなっている多くのトレーダーもいる。

しかし、成功したトレーダーには、トレーディングに真剣に取り組んでいるという共通点があることも間違いない。言い換えれば、彼らは普通の起業家としての考え方を持っている。彼らは自分の教育に投資して自分の分野の知識を高め、非現実的な期待に溺れない。自分の会社の長期的な展望を理解しているため、その場の勢いにのまれることもほとんどない。自分のやっていることに自信があるため、資金をリスクにさらすことを恐れない。また、この仕事のコストをきちんと理解しているため、この仕事では避けることができない損失も許容できる。注意事項のリストを常に携帯したり、建てているポジションを心配したり、銀行の残高を常に気にしたりすることもない。

そして、たとえ逆境にあるときでも、落ち着いて集中力を切らさず、常に大きな構想を見据えて行動できる。彼らは明確な枠組みのなかで活動するビジネスマンなのである。何がトレーダーをマーケットに向かわせるのかは正確には分からないが、生活の糧を得るための仕事として引かれる人はあまりいないと考えてよいだろう。むしろ、それまでの単調な生活から逃げ出したかったり、日々の業務や給料に不満だったりして、もっとましな生活や収入を求めてトレーディングを始める人が多いと思う。つまり、彼らはトレーダーとして成功するのだと夢や空想をふくらませてマーケットに参入してくる。

トレードは準備がすべて

しかし、当然ながら彼らのほとんどは何の準備もないままやって来る。もしかしたらテクニカル分析の入門コースくらいは受講して、驚くほどの単純さに興奮しているかもしれない。もちろんパターンを観察するのはだれにでもできる。しかし、彼らは統計的な考え方をしない。そして、周りはみんな愚かな連中に違いないと思っている。こうして、無知という恐れを知らない連中が、突然トレーディングの世界に登場するのである。この非常によくあるコースを避ける、もしくはすでに迷い込んでいるのならば逃げ出すためには、それまでとはまったく異なる考え方が必要になる。マーケットで成否を決める最も重要な要素が、夢物語と現実を区別する能力であることは間違いない。

これは、テクニカルのスキルや、速やかに判断を下すための健全な精神よりもはるかに重要なのである。ところが、ほかの分野や職業では理性的で十分な実績を上げた人でも、マーケットに飛び込んだとたんに感情的で、誤った認識を持ち、不合理な行動をとるただの愚か者になってしまう傾向がある。しかし、これは投機というあてにならない活動の性質でもある。投機をするときは、過去の実績や強い個性に頼ることができないため、マーケットにさらされた途端にそれまでの自己のイメージが一瞬で砕け散ってしまうかもしれないのだ。ある意味で、この自己破壊の過程は有益でもある。達人の域に達したければ、トレーダーはまず絶望と落胆という深い感情を経験しなければならないとさえ言われている。

そして、自己破壊のあとにそこから再び立ち上がって生き延びるだけの強さがあれば、自己をゼロから作り直してそれまでとはまったく違う視点でトレーディングのプロを目指すことができる。ほとんどのトレーダーは、キャリアのどこかの時点において何らかの形でこの課題に直面する。これは精神的に苦しい体験かもしれないが、この段階をへて混乱したトレーダーは自己認識に大いに疑問を持ち、自分がこの仕事に向いているのかとまで考えるかもしれない。しかし、それもすべてこの寛大な報酬と苦難を与えてくれる素晴らしい仕事の一部なのである。心理学の専門家でない人間が心の説明し難い動きについて専門家のふりをして話しても仕方がない。

この記事は個人の意見だが、体験から思うこと

この記事は個人の意見だが、体験から思うこと

そこで、この記事で述べたことは私自身が茨の道を通って来た経験から得た個人的な見解だと思ってほしい。ただ、テクニカルな局面においても、この指針は役に立つ。全体を通してテクニカル的なことも心理的なことも、すべては実践的な見地から述べている。ただ、この2つについて述べるだけではプロのスキャルピングのすべてを網羅することはできない。この手法を実行可能にするためには、賢い会計についても掘り下げておかなければならないからだ。この重要な側面について、トレードサイズの重要性、リスク管理、資金の増やし方についても詳しく述べる。

また、わずかな利益しか上がらなくても、少額の資金を大きく増やす方法についても紹介する。トレーディングを仕事として取り組むことができる意欲のあるスキャルパーは、この記事が役に立つと思う。まずはテクニカルの側面から始めよう。

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