
平均運用利回り5%っていい数値なの?と思うあなたへ向けた記事です。
現代でリスクを背負って投資をした場合、どのくらいのペースでお金が増えていくのか?を見てみましょう。
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利益を得たら再投資に使って効果を最大に
まず、鉄則として「現役時代は利益をすべて再投資する」です。ここまで見てきましたように、複利効果を最大限に発揮することが、最短で資産を大きくする一つの条件なのです。
22歳の人が毎月2万3千円を積み立て投資(利益はすべて再投資)して、平均利回りが5%で運用できた場合を、もう一度見てみましょう(税金や各種コストは考慮しません)。5%という数字が適正かどうかは次節で解説します。
そうすると、60歳の時点では、出したお金の合計は1048万円ですが、運用益が2075万円になっていますので、合計で3123万円です。いかがですか?5%で運用ができれば、毎月2万3千円でも、これだけの金額になるのですね。
利回り1%の差は大きい

こんどは、まとまったお金で投資した場合を見てみましょう。
500万円の資金があるとします。
これを30年間、平均利回り5%で運用するとどうなるでしょうか?この場合は30年で2870万円ほどに大きくなります。このように、一見すると5%という数字は地味ですが、一例のように複利効果を加えることで、非常に大きな力になります。そして、投資の世界では、1%・2%という差が長期では大きな差になってきます(ここはすごく大切なところです。コストでも同様です)。
あなたがまだピンと来ないのも無理はありません。
確かに、日々の生活では1%や2%などの違いが大きな問題になることはありませんから。ですが、投資ではこの小さな数字にこだわらないといけないことを、まずは覚えておいてください。1990年から毎月1万円積み立て投資していたら、800万円を超える?超えない?平均運用利回りが5%と書きましたが、ここで一つ疑問です。
それは、平均運用利回りが5%なんてできるのか?ということ。
もっともな疑問です。ここが大きく崩れていたら、お話になりません。投資対象などについては、後ほど詳しく見ますが、ここでは、過去27年間の現実に起こったデータを見てみましょう(過去のデータですので、未来を保障するものではありません)。
実際の例で説明
仮に、あなたが1990年にいたとします。
そこで、毎月1万円を積み立て投資しました(積み立て投資の中身は「世界の株式【MSCIACWI配当込み】」と「世界の債券【シティ世界国際インデックス】」にそれぞれ五千円ずつ、配当は再投資)。そうすると、2017年末時点では、およそ860万円になっています。
ちなみにあなたが出したお金は累計で336万円です。これを平均利回りに換算すると、どうなるでしょうか?
利回りは6%になります。
これは過去のデータなので、現実に起こった数字なのです。
追い追い詳しく解説しますが、世界全体へと合理的な投資をすると、このくらいの利回りが望める可能性があるのです。ただ、これはあくまでも30年近い長期で見た場合の平均利回りです。年ごとに見ると、金融危機などで40%近くマイナスになる年もあります。
それにもかかわらず長期で見るとプラスになっています。大切なことは、投資対象によっては、長期で見ると運用成績が5~6%くらいである可能性があるということです。そして、その数字は、とても素晴らしい数字なのです。